もうパターン化された“エモ”気持ち悪すぎるんだよ、純喫茶でクリームソーダ、フィルムカメラで街を撮る、薄暗い夜明け、自堕落な生活、アルコール、普通列車の、豊橋行き、ワンマン列車です。まもなく、伊那小沢、伊那小沢です。伊那小沢でお降りのお客様は、前より車両の、一番前のドアをご利用ください。ドア付近のランプが点灯しましたら、開けるのボタンを押してお降りください。運賃、切符、整理券は、運賃箱にお入れください。定期券は運転士にお見せください。
こんにちは。そろそろ限界南信ツアーに行ってみたい久保田19です。夜に限界みたいなテンバに着いて、翌朝はダラダラと起床してから駅まで重い体を引きずっていき、ガラガラの飯田線の座席にどかっと座ることでしか得られない幸せが、この世には存在します。
さて今回は梅木22率いる東北班の定時連絡です。毎度のことながら記事をあげるのが遅くなってしまい申し訳ないです。この班は気づいたら1時間近く電話してしまいましたが、なにぶん会話量が膨大で書く量を減らすため、勝手ながら会話内容を一部端折っています。ご了承ください。
メンツ:梅木22(班長)、青江23、松浦23、清重22、梅村21、中西21
行程:生保内→田沢湖展望台→田沢イチ→乳頭温泉→山のはちみつ屋→生保内
梅木「感想……。なんやろなあ、えっと、うーん、なんか、えっと、そやな……」
40秒くらいウンウンうなっていた気がします。梅木ってたまに言葉の便秘を起こしますよね。
梅木「えっと、山のはちみつ屋っていうのを今日になって急遽行程に入れました。KUCCにしては珍しくグルメよりやから、なんかちょっと班員がついてきてくれるか不安やったんですが、『試飲あるでー』って言ったらみんな来てくれました。みんな楽しんでくれて何より」
山のはちみつ屋というのは、はちみつの買い物やグルメが楽しめるそういうお店らしいです。確かにKUCCはあまりそういうところには行かないがちですが、試飲につられてホイホイついてくるのは逆にKUCCっぽいですね。僕も道の駅での無料立食パーティ試食は「kcal/円」というコスパが無限大に発散するので大好きでしたが、コビッド19が2回生入部して以来、最近はどこも縮小傾向にあるので寂しい限りです。
久保田「梅木的には、自分はちゃんと金かけて観光できるタイプの人間だと思う?」
梅木「うーん、えっと、自分はそうですね。でもなんか、なんやろ、青江とかは金使いたくないタイプだからあんまそういうの好きじゃないかな。でもえーと、試飲とかだと大丈夫みたいな。松浦は一応観光できるタイプ。なんかすごいジャンしたがりで、他の班員が渋るような高い現地グルメでもジャンして食べようとします」
それは果たして観光できるマンといえるのか。ただのジャン狂なだけな気もしますが。
梅木「ちなみに梅木班は外食を一回もしてないです」
全自炊はシンプルに偉いですね。続けられていること自体もそうだし、自炊できる時間を残して行程を終えられているところにマネジメントの高さを感じます。最終日の大間での優勝がより楽しみになるかと思いますが、個人的にはあけみちゃん号という食堂のマグロ丼がとてもお勧めなので是非行ってみてほしいです。
梅木「えっと今日はあと乳頭温泉が、まあ、東北で一番行きたくて行程に入れたところで、でもお湯がクソ熱くてすぐあがっちゃいました。ネットで冬の雪の写真とか見ててすごく期待したんですけど、ちょっとうーん、なんか、700円払ってもったいないなって」
乳頭温泉いいですよね。去年の冬東北で行ったときは、外にある混浴露天風呂はむしろぬるいくらいだったので、湯加減は外気温にもよるのかな。
ちなみに冬東北のときは原田21が混浴モチベを発動させ、ぬるいのにやたらと長湯したせいで風邪をひいてしまい、さらに行程遅延でがっつりナイトランしていたら風邪が悪化したので、温泉の効能は今一つわからずじまいです。
お次は梅木班のパパこと清重22にかわりました。
清重「今日はなんかすごいツアーらしい1日で、しんどいところが比較的少なく行程を楽しめました。乳頭温泉もよかったですけど、お湯が熱くて浴槽も狭かったのですぐに出てしまいました」
田沢湖畔からの乳頭温泉の流れは確かにクラシック・ツアーらしいよさがありますね。あとやっぱり乳頭温泉が熱かったようですが、東北や北海道など、寒い地域の温泉はお湯の温度が高い気がします。
清重「1回生は青江も松浦も2人とも走力があって、梅木がたまに意味わからんスピードで引いているときもちゃんとついていってます。初日に梅木のトレインが速すぎてブチブチにちぎれちゃったんですが、その次の日には完全に順応していました」
久保田「あくまで梅木の引きが改善されたわけではなく、ついていく1回生のほうが適応した感じか」
清重「梅木のトレインはなんかもう振れ幅がすごいんですよね。遅いときはめちゃくちゃ遅いのに、遅いよって言ったらめっちゃ速くなる」
コースリーダーって1人で漕ぐのと違ってペースを常に考えないといけないから難しいですよね。僕もあまり得意ではなかったので偉そうな口はきけませんが、1人で漕ぐときより気持ち力をゆるめて踏むこと、後ろがついてきているからといってペースが遅いのではないかと気にしすぎないこと、アップで頑張りすぎないことが大事だと言われています。
清重「あと最近梅木が峠で松浦に抜かれています」
夏合宿では班長は徐々に疲弊し遅くなっていく一方で、1回生は成長してどんどん速くなっていきがちです。
清重「まあ僕以外、普段みんなあんまり踏まないし峠争いにも応じてくれないので、一人で寂しく登ってます」
孤高のサイクリストですね。
今回は夏合宿で持ってきていらなかったもの・持ってこなくて後悔したものを聞いてみました。
清重「持ってこなくてよかったものは日焼け止め。嫌いなので普段塗らないけど念のため持ってきたんですが、案の定めんどくさくて塗らないです。そのせいでめっちゃ黒くなります」
久保田「ヒリヒリとかはせんの?」
清重「一瞬で黒くなって順応するので、痛くはならないですね」
ぜひ集合地までに大脇23とどっちが黒くなるか勝負してみてください。
続いてはジャン狂と噂の松浦23です。
松浦「田沢湖一周したんですけど、思ったよりきれいで期待以上でした。温泉も割とすぐついたし楽しかったし、とてもいい1日でした」
班員が「いい1日だった」と言ってくれるのは班長にとって最大の喜びです。梅木が聞いたらたぶん泣くと思います。
松浦「って言ったけど、清重さんと差しジャンで負けたのでNG。勝てそうだと思ったのに……。普通にジュースが飲みたくて清重さんをダメ元で誘ってみたら応じてくれて意外だったんですが、でも負けました。気合いが足りなかったんですかね。それ以外は本当に完璧な1日でしたが」
さすがのジャン狂も清重の圧倒的な父性を前に敗北してしまったようです。ジャンは敗因を分析することで強くなれます。:なんで負けたか明日までに考えといてください:でもジャン狂の部員って例外なく弱いんだよなあ。
松浦「いつかデカいジャンで今までのマイナスを逆転したいです。狙ってるのは大間でのジャン」
最終日の優勝はきっと優しい上回生がご馳走してくれると思いますよ。松浦の負け額は2000円もいってないので、日頃の小ジャンの積み重ねでも逆転は十分に可能かと思われます。
松浦「ジャンは大人数でやればやるほど有利←本当にそうかな?なのに、この班はあまりジャンをしないですね。青江も意外と消極的」
わかります。青江ってよくBOXにもいるし、「え~、ジャン! したいです~」って言ってそうなイメージがありますが案外慎重というか冷静ですよね。
松浦「ジャン好きな上回生が来てくれるのを楽しみにしてます」
ジャンが好きな部員は梅木班に行ってあげましょう。
持ち物の後悔について聞いてみました。
松浦「結果論なんですけど、イヤホンがいらなかったですね。ぶっこわれちゃったので。だったら虫よけとサングラスを持ってくればよかった。普通にめっちゃ虫が多いのと日差しが暑くて……」
夏合宿の東北がクソ暑いのは、春九州が世界一寒いこととセットでこの世の真理です。ツアーのQOLを上げるための持ち物の取捨選択はこれから上手になっていくと思うので、今後のツアーの糧にしてもらえたらと思います。
お次はに意外とジャンをしない青江23にかわってもらいました。
青江「今日はたぶんそんなにしんどい行程じゃなかったんですけど~、全然踏む気が起きず疲れました~。全然アップもないのにう~んって感じで。でもなんか最初はす~ごい憂鬱だったんですけど~、乳頭温泉がめちゃくちゃよくて~、よかったです。そこで休んでアイス2個食べてダウンしたら元気になりました~」
疲労は水溶性なので、風呂に入ると体がきれいになるだけじゃなくて体力が回復しますよね。乳頭温泉は江戸時代より湯治場として知られていたガチ温泉なので、風呂慎重派の皆さんも一度入ってみるといいんじゃないでしょうか。
久保田「青江から見て梅木班長はどう? 頼りになる?」
青江「はい、そう思います~」
久保田「なるほど、例えばどんな感じで?」
青江「強いですね~」
久保田「強いなあと思うこととかある?」
青江「えーっと、漕ぐのが速い、かなぁ。向かい風が強いときでも先頭で漕いでくれます」
コメントを引き出そうとして面接みたいになってしまいました。定時連絡的には班長への不満の1つでも言ってくれたらおいしいんですが、梅木はきちんと班長をできているようです。
持ち物の後悔について聞いてみました。
青江「持ってくるんじゃなかったと思うのはシュラフかなあ。全然使わないのにかなり場所とるんですよ~。あと登山用の小リュックも小さいけど場所をとります」
シュラフは持ってくるか持ってこないかの見極めがかなり難しいですよね。かなりかさばるし重い一方、シュラフカバーしか持ってこずに凍える人も何人も見てきましたし。
久保田「そういえばなんか前の定時連絡で『荷物半分送り返したい』みたいなこと言ってなかった?」
青江「送り返せたらいいなあ、くらいの感じで、なんか減らそうにも実際はけっこういるもんばっかりなんですよ~。うーん、着替えを減らして洗面器で洗おうかな」
弁明しておきますけど、僕が言わせたわけじゃないですよ? KUCC的には有望ですが社会的には先が思いやられます。
青江「あと中西さんが合流して嬉しいです~。昨日の夜寝てたら起こされて、あーなんか中西さんだ~ってなって、めっちゃ嬉しいです~。青森までずっといてくれるので嬉しいです~」
嬉しさのあまりボキャブラリーのデフレを起こしていました。2年前の東北班での坂井みたいに、喜怒哀楽しか表現できないロボットにはならないでほしいです。
この流れで中西21にかわってもらいました。
中西「こんばんは。1個弁明しておきたいことがあって、昨日の夜はなちゃんを起こしたのは、私がテンバついたときに小雨が降っていたのにはなちゃんがそのまま屋根のないところで寝てて、これはやばいと思ったから声をかけた感じです」
雨降ってて起きないのはさすがに草。
中西「こないだ粂井班の定時連絡で話した、ヘルメットの顎紐の留め具が片方なくなった事件についてなんですけど、実はもう片方の留め具にくっついてました。98あっほです。一応言い訳すると、輪行を終えて着いた駅がめっちゃ暗くて街灯がなくて、翌朝になってから気づいて入られました」
まあヘルメットを買いなおすはめにならなかっただけよかったと考えましょう。
中西「北海道モチベが枯れてしまったので大間までずっと参加するつもりです。ただ信州でのアップの疲れが残ってるせいか、ちょっと膝にきそう」
膝は一度壊すと厄介なので、耐えているうちに湿布による集中治療をお勧めしておきます。あとはアップのときに少しだけサドルの高さを下げると改善するかもしれません。
せっかくなので班員の印象について聞いてみました。
中西「梅木は普通に班長をちゃんとやれてます。あとはなちゃんは食パンに塩分チャージをはさんで食べてて驚愕しました。そういう食べ方もあるんやなあって」
そういう食べ方もあるんやなあ、ではないです。普通にやばいです。てか食い合わせ悪すぎだろ。いつぞやのビタミン剤丼を思い出しました。
中西「それで今マイブームで、食パンにはさんで食べるもので大喜利をしてるんですよね。みんなの回答を聞いてみたい」
ということなので、明日のモンゴル班の定時連絡で聞いてみることにします。よかったらまた見てあげてください(追記:モンゴル班の定時連絡)。ちなみに中西曰く「『キャリアのねじ』みたいな系の回答はいらない」とのことです。
というか塩分チャージサンドの話が衝撃過ぎて他の班員について聞くのを完全に忘れてましたが、持ち物の後悔についての質問に移ります。
中西「持ってきて後悔したものはやっぱりシュラフかなあ。東北は北海道よりちょっと暖かいくらいで肌寒いこともあると思ってたんですが、普通に暑いです。信州で一度だけ使って以来、必要になったことがないですね」
まあやっぱりシュラフ持ってくるかどうかの判断は難しいですね。個人的には例えかさばっても、ないよりあったほうがマシだとは思いますが。
最後に梅村21にかわりました。
梅村「田沢湖にずっといきたいなぁと思っていたので本当に行けてよかったです。山のど真ん中にぽつんとある感じが本当によかった。あとはヨッキれんも行っていた県道248号も通れてよかったです」
山行がを読まれているのは感心ですね。KUCCの三大教科書は地理院地図、ツーリングマップル、そして山さ行かねがです。
梅村「そういえば今日思ったんですけど、秋田県ってなんか道路のでこぽこ多くないですか?」
激しく同意します。基本的に雪国の道路というのは凍結や除雪などで舗装が傷みやすいのですが、お金のない秋田県はそれが補修されずに放置されていることが多い印象があります。加えてあの県は除雪車を動かす金もないので冬季は融雪剤をぶちまけて無理やり雪を溶かそうとするので、路肩にカッチカチの氷塊が大量発生し、冬は冬でそれはまあゴミみたいな路面になります。
久保田「そういや乳頭温泉はどうだった?」
梅村「すごいよかったです。よかったけど、脱衣所に貴重品を入れるロッカーがあって、財布もあることだし使おうと思って100円を投入したらなんと戻ってこないタイプのロッカーで、まず入られました。しかもそれで服を脱ぐときになってよく見てみたら自分の手に財布が握られててさらに入られました。結局100円使ってスマホとフルグラを入れただけでした」
金が戻ってこないタイプのロッカーって、まじでツアー先でイラっとするものランキング5位くらいに入ってきますよね。10円とかならまだギリ許せますが、100円とかになってくると入浴料とってるんだからそこで金とるのはおかしいだろと毎回思います。ちなみにイラっとするランキング1位は公園にある、普通の東屋と見せかけて骨組みしかない謎の屋根です。
梅村「あと、今日は田沢湖展望台にのぼるとき、予めインナーにいれて峠争いに備えていたんですが、仕掛けて飛び出した瞬間はみんな反応してくれたのに全員すぐに失速しちゃって、清重しか相手してくれませんでした。梅木なんか最初は『そうきたか』とかブツブツ言ながら一瞬追いかけてくれたのに、結局途中ですぐダラダラしちゃって来てくれなかったです」
梅木もきっと班長業務で疲れていたのかもしれません。
最後に持ち物の後悔について質問してみました。
梅村「持ってこなくて後悔したのは耳栓とアイマスク。道の駅とかで寝るときにトラックがエンジンかけたままだったり急にライトつけたりして寝られないときがあります」
テンバでの睡眠QOLをいかに確保するかはツアーをするうえで死活問題ですね。例えばシュラフをいれていた袋に着替えをつめて枕にしたり、夏場は蚊取り線香を炊いたり、北枕を回避したり、細かな工夫が大切です。
最後に梅木に電話を戻してもらいました。
久保田「なんか言いそびれたことある?」
梅木「うーーんいやあああああ、そうっすねぇ。えーーーと、、、、、、」
久保田「なかったら別にいいよ」
梅木「ああーーっ!」
久保田「なんか思い出した?」
梅木「あ、でも忘れたなぁ」
痴呆が完全に進行しています。
久保田「ほんじゃ梅木は、この夏合宿で持ってこなくて後悔したものはなんかある?」
梅木「えーなんやろ、ちょっと待ってください。ええー、うーん……」
梅木が持ってき忘れたのは記憶力なのでは?
梅木「あっ、えっと、後輩たち用に担ぎのクッションをもってきました。ホームセンターでちょうどいい感じの円筒状の資材があったので、それを切って持ってきたんですよ。でも結局行程に入れていた担ぎは全部なくなってしまったから、いらんくっちゃったなあ」
あっほな面ばかりクローズアップされがちですが、班員想いのいい班長ですね。
このあと少しだけ行程(仙岩峠旧道)の話をしましたが記事では省略します。
明日の行程:生保内→仙岩峠旧道→雫石→盛岡
久保田「明日も気をつけて頑張ってね」
梅木「ういーー、あ、じゃなかった、失礼します」
写真は貰いませんでしたが、せっかくなので1週間前の梅木の写真を載せておきます(山碕のStravaより)