シベリアツアー報告書


先日の報告の通り、班員一名の凍傷により自転車での行程は途中で断念いたしました。
ヤクーツクから走り始め、80km程進みテュンギュリュという村から2km離れた地点でテント泊していたところ、不注意と装備(火器、シューズ)の不備により一名の足の指が凍傷になりました。村が近かったこともあり、村のカフェに行き、お湯などをもらっていたところ、そこに偶々居合わせた親切な方に処置を手伝っていただき、その方と相談した上でテントなどを撤収して病院に行くこととしました。
厳しい環境である故に人々のネットワークがしっかりしており、外国人が凍傷になっているということで多くの方に協力していただきました。適切な処置をすべく翌日にヤクーツクの病院まで運んでもらい、行程の継続は断念しました。怪我は一週間の通院後に完治しました。

装備に関しては現地の方に薄着であるということをよく指摘されましたが、日中走り続けている分には寒さを感じることはありませんでしたし、服装や寝袋に関してもVBL仕様のもと十分に対応可能でした。また発汗により濡れた衣類を乾かす必要があったため、薄手の服の重ね着を行なっていました。長時間屋外で活動するということがあまり一般的ではなく誤解が生じていたと思います。
しかし、我々の想像力の及ばないところで他の装備において再考すべき点は多くあります。
製品をご提供下さったmont-bell様、ISUKA様には改めまして御礼申し上げます。

そして残りの時間はヤクーツクに滞在していました。とても多くの方々に協力してもらい、帰国までに多くの場所に連れて行ってもらいました。SAYBM社様にはオイミャコンまで自動車で連れて行ってもらいましたし、ヤクーツク市役所の方には夏至祭の会場や地元の学校の授業などに連れてもらいました。とてもに貴重で楽しい体験をさせていただき、サハ共和国の方々には非常に感謝しています。

今回は不本意な形で終了することになりましたが、必ずしも成功するようなものだとは思っていませんでしたし、このようなリスクも承知の上で行程を作っていました。その中で我々の力不足ではありましたが、この場所で多くの成長のきっかけを頂いたと思います。走り始めからサハ共和国の多くの方に暖かく見守られているのを感じていましたし、次回の挑戦も待っているという言葉もかけていただきました。このままでは終われないという思いがあります。

文責 山本直哉